2009/09/25 (Fri) 23:50:23 無題

絵が上手い人は、手に技術があるのではない。
目が精確に形を捉えていて、手が描く線の狂いを感知できる。
つまり、「上手い」というのは、ほとんどの場合、「測定精度の高さ」なのである。
たとえば、料理の上手い下手は、最終的にはその人の舌の精度に行き着く。
ラジコン飛行機の操縦が上手いか下手かは、飛行機の姿勢をいかに正確に捉えられるか、という目で決まる。 
狂いのない飛行機を作れる人は、小さな狂いを見ることができる人である。
精確な位置に穴があけられる人は、精確な位置に罫書きができる人だ。
もう少し説明すると、「どんなとき、どうすれば良いか」といった知識は誰でも簡単に学べるが、
難しいのは「今がどんなときか」を感知することであって、これは知識としては学びにくい。
現在の位置や状態を的確に把握できれば、もう「上手い」も同然なのである。